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HOME > お役立ち情報 > 記事・コラム > 10年後になくなる職業
オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン準教授が提出した論文「雇用の未来 - コンピューター化によって仕事は失われるのか」に書かれた「あと10年で消える職業・なくなる仕事」の事を思い出した。これは2013年に発表されたものだが、人工知能の発展に伴い、今存在している仕事が人工知能に取って代わられ、人間の仕事がなくなるというものだ。
一例をあげると「銀行の融資係」、「レストランの案内係」、観光関連でいうと「ホテルの受付係」「タクシーの運転手」などもリストアップされている。現在、普通に存在している職業がなくなるというのだから疑わしくもあるのだが、過去を振り返ってみると、すでになくなっている職業を見つけることができた。
例えば、タイピスト。パソコンやワープロが登場する前には、公式な文章はタイピングで作成されており、専門職として存在していた。日本でも当然使用されており、旅行会社に勤めているときにはアメリカのEDカードをタイプで作った記憶がある。実に懐かしい。しかし、今ではパソコンで文章を作るのが普通になり、タイピストという専門職は消えてしまった。(ひょっとしたらあるかもしれないが一般的ではない)
なぜ2013年に発表されたこのニュースを思い出したかというと、1月15日に起きたスキーバスの事故がきっかけである。さまざまな報道がされてご存知の方も多いと思うが、概略は格安のスキーツアーが指定されたルートを通らずに崖に転落する単独事故を起こし多くの犠牲者を出したというものだ。 その後、調査・検証が行われバス会社側の安全運行への取組みが不足していた点や、運転手の経験不足、定められた運賃を大きく下回った取引、それによる安全運行遂行が不十分など負の連鎖が報じられている。インバウンド市場の活況による運転手不足など市場環境が影響している面もある。
この時思い出したのが、10年後になくなる職業の話だ。バス運転手はこの発表には含まれていないが、市販されている普通車でも自動ブレーキなどが一般的になっている時代である。今後さらにAIなどの技術発展が進めば、バスの運転も半自動化されてはいくのではないか?道路状況を考慮し、スピードを把握し、一定速度に減速させることが10年後には可能になっているであろう。
人工知能の発達などの技術革新は、多くの人の仕事を奪うのかもしれない。しかし、技術革新は多くの人の笑顔を奪わない事ができるかもしれない。そう願いたいものである。
( 2016.03.14)